※この記事は2021年8月に更新しています。
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新型エネファームに関する記事で仕組みや「今までのエネファームとの違い」について元営業マンの私が徹底解説させていただきます。
また記事の最後に新型エネファームを少しでも安く設置するためのちょっとした見積もり術も公開していますので、エネファーム設置を検討している方は是非参考にしてください。
天然ガスから水素を抽出し空気中の酸素と化学反応させることで電気を生み出す家庭用燃料電池コージェネレーションがエネファーム(ENE・FARM)
です。
ちなみにコージェネレーションというのは、熱源より電気と熱を生産して供給するという意味です。
電気を使う場所であるのとお湯を使う場所であるなら電気を生み出しながら同時に発生する熱を利用して給湯もすることができるので無駄を省いたエコライフが実現出来ます。
エネファームは、家庭用電池コージェネレーションシステムとして2008年頃に燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)が家庭用燃料電池の認知向上の取り組みとして試験モニターを行った当初はエネファームという名称ではなく、ライフエル(lifeel)と呼ばれていました。
そこから試行錯誤と調整を行い2009年の本格的な販売開始と共に名称をエネファームと改めて発表されました。
製造メーカーもパナソニック、長府製作所、ノーリツ、ENEOSなどの大手メーカーの参入もあり、また力を入れたCMや国からの補助金制度なども合わって一気にエネファームは、そのブランド力と認知度を高めていき今ではヒット商品となっています。
エネファームtypeSの進化や仕組みとは?
エネファームはLPガスや都市ガスを燃料として燃料電池ユニット内の改質器で水蒸気改質をして水素を得たのをスタックで空気中の酸素を水素と化学反応させる。
そこで直流の電力を生み出し、インバータ(パワーコンディショナー)で系統連系を行い直流の電力を家庭で使用出来る交流の電力へと変換させます。
簡単に説明すると「天然ガスから水素を取り出し酸素と科学反応」させ、電気を作ると思ってください。
その一連の流れの中で改質器内とスタック内で発生した熱を熱回収装置で回収して温水を作り上げという仕組みとなっている。
もちろん、電気を作り上げる際に出来た熱を利用して作った温水は貯湯タンクにて貯めておく
事も出来きます。
その貯めたお湯を給湯暖房機で足りない温度を補うために加熱を行い台所やお風呂の給湯として利用します。
ちなみに、貯湯タンクのお湯は給湯としての利用であって暖房としては利用はしません。
また、仮に何らかの理由により、貯湯タンクにお湯を貯めておけなかった場合には不足を補い
温水を提供してくれるバックアップ熱源もしっかりと取り付けられており、万が一の湯切れの心配を解消してくれるシステムも搭載されています。
エネファームtypeSの仕組みの流れ
- 燃料電池
燃料となるガスから水素を取り出し空気中の酸素と化学反応させる.
- インバータ(パワーコンディショナー)
直流の電力を交流の電力に系統連系
- 熱回収装置
燃料電池(改質器、スタック)で発生した熱を回収
- 貯湯タンク
発電時の熱で作ったお湯を貯める。
- 給湯暖房機
貯湯タンクのお湯を加熱して給湯や暖房に利用。
エネファームで浴室暖房器具のカワックや床暖房も使用できます。
typeS 最新エネファームについて
家庭用電池コージェネレーションシステムとして注目を集めるエネファームですが、いわば家庭が発電所となる様なイメージなので、それだけでも画期的ではあります.
そんな最中、今回、より進化を遂げて新型がプレリリースされて注目を集めています。今回の新型は数社共同開発により、ただのモデルチェンジではなく、様々なメリットや特徴があるみたいでご紹介します。
typeS 新型エネファーム
エネファームtypeS大阪ガス、アイシン、京セラ、長府、トヨタとの共同開発
- サイズ
従来のモデルと比べて非常にコンパクトとなり世界最小のサイズを実現しました。
これによって、今まで設置スペースの条件が満たなかったご家庭でも小スペースでフレキシブルな設置が可能となりました。
- 設置住宅の拡大
サイズがコンパクトになった事により戸建て住宅よりもさらに制限がある集合住宅のバルコニーや共用廊下への設置が可能となりました。
尚、集合住宅への設置に関しては新築時に限ります。
- エネファーム後付け設置
戸建て住宅ですでに使用している年数もさほど経過していない給湯機がある場合であっても、別途、バックアップ熱源機を購入する事無く、燃料電池発電ユニットのみを購入し後付けとして追加してエネファームを使用する事が出来ます。
ただし、使用している給湯機の機種によっては後付けが不可能な場合もあります。
- エネファームの設置コスト
システム構成を根底から見直した事でコストダウンを実現し価格が現行の機種より
も安価となり、より購入し易い価格となりました。
- リモコン
流行りのタッチパネルを採用していることで操作がし易くなりました。
エネファームのリモコンはお家の使用電力やエネファームの発電量などが確認できます、発電量にお家の使用電力を近づけることなどで更なる節電意識などにつながります。
- 発電効率52%
燃料電池の見直しや発電時の熱の損失を減らすことで発電率を大幅にアップ。
大幅にアップしたことによりエネファームtypeSは世界最高の発電効率をほこります。
- typeS エネファームは余剰電力の売電ができる
2016年から電力自由化の件も合わさった事で、申告手続きが必要となりますが余剰電力の売電がエネファームtypeSでは可能となりました。
これは凄い進化で、以前から売電も出来たら良いのに、、
と言う声も多かったところが叶ったかたちとなりました。
ダブル発電適用となる場合はエネファームtypeSの余剰電力を売電は対象外となります。尚、太陽光発電の設備出力が10kW以上で固定価格買取制度の全量買取を適用されてる場合には、その限りでありません。
エネファーム typeSの発電量
家庭の使用量に関わらず24時間いつでも定格運転をするので電力を常時キープ。
エネファームの魅力の1つと言っても良い24時間発電、太陽光との違いが大きくでる部分で、夕方電をしてくれます。から夜にかけて一番電気を使う時間帯にも発
- 停電時の自立発電
自立運転モデルなら停電時でも稼働して発電を行ってくれます。
また停電時のおける自立発電量は現行のエネファームよりも大幅にアップしていますが、エネファームの自立発電は個人的には人気がないと思います。
私はエネファームを多く販売しましたが、価格の問題もありエネファームの自立発電タイプは数えるほどしか販売していません。
エネファーム typeSのその他の改善点
今まで以上のCO2削減率と光熱費削減を実現。
環境の貢献と考えて設置を考えている方には良い改善点です。
エネファームtypeSの特徴やメリットまとめ
- 世界最小サイズ実現
- 集合住宅でも条件により設置可能
- 後付けでの設置が可能
- システム構成の見直しでコストダウンを実現
- リモコンがタッチパネル式になり操作性が向上
- 世界最高の発電効率を実現
- 売電が可能
- 24時間いつでも定格運転で電力キープ
- 自立運転モデルなら停電時でも稼働
- 停電時の自立発電量が大幅にアップ
- 高い水準でのCO2削減率を実現
- 光熱費がお得になる
エネファームtypeSが販売され、今までとの大きな違いは「売電や後付け」が大きな変更点となります。
以前なら考えれなかった売電や既存の給湯器を使用できるのが進化している部分と言えます。
しかし少し残念なところは既存の給湯器を使用する後付け対応でも凄く安く設置できるわけではないところもあります。
現行とエネファームのtypeS比較
新型エネファームtypeSの特徴をご紹介しましたが、現行のエネファームとの差はどれ
ほどあるのでしょうか?
確かに新型エネファームtypeSは魅力的な要素がありますが、コストなども踏まえて総合的な数値などを見比べてながら比較してみました。
総合効率
- 現行エネファーム:94.0%
- 新型typeSエネファーム:85.0%
作動温度
- 現行エネファーム:約60度〜80度
- 新型エネファーム:約700度〜750度
電池の種類
- 現行エネファーム:固体分子形(PEFC)
- 新型エネファーム:固体酸化物形(SOFC)
電解質
- 現行エネファーム:高分子膜
- 新型エネファーム:セラミック
貯湯タンク
- 現行エネファーム:90L
- 新型エネファーム:28L
発電効率
- 現行エネファーム:約39%
- 新型エネファーム:約52%
電気料金
- 現行エネファーム:約109,000円お得
- 新型エネファーム:約124,000円お得
電力購入量
- 現行エネファーム:約5.389kWh
- 新型エネファーム:約1.171kWh
発電量
- 現行エネファーム:家庭の使用量に合わせ運転
- 新型エネファーム:家庭の使用量に関わらず常時定格運転
余剰電力の売電
- 現行エネファーム:不可
- 新型エネファーム:余った電気を売る事が出来る
インターネット
- 現行エネファーム:一部操作が可能
- 新型エネファーム:スマートフォンで遠隔操作が可能
停電時
- 現行エネファーム:自立運転モデルなら発電可能
- 新型エネファーム:自立運転モデルなら発電可能
太陽光とのダブル発電
- 現行エネファーム:ダブル発電可能
- 新型エネファーム:ダブル発電可能
エネファームtypeS 価格
- 現行エネファーム:自立運転モデル 約192万円
- 新型エネファーム:自立運転モデル 約214万円
エネファームtypeSの設置について
- 現行エネファーム:戸建住宅のみ
- 新型エネファーム:戸建て、新築集合住宅での設置が可能
エネファームtypeSの補償について
- 現行エネファーム:10年補償
- 新型エネファーム:10年補償
エネファームtypeSと従来型のエネファーム比較まとめ
現行の貯湯タンクは90Lまで確保できるのに対して新型はわずかに28Lしか貯湯できないため貯湯タンクは現行エネファームに軍配が上がります。
また本体の価格も現行の方が多少安いので、こちらも現行エネファームに軍配が上がりますが、エネファームの売りは自家発電です。
発電効率も現行エネファームは、39%に対して新型は52%で、さらに現行エネファームでは不可能であった売電が新型エネファームでは可能となっていいます。
発電に関しては圧倒的な大差を付けて新型エネファームに軍配が上がります。
サイズに関しても条件はありますが現行エネファームは戸建てにしか設置が出来ませんが、新型は条件さえ揃えば戸建てでも集合住宅でも設置が可能ばかりか後付け設置も出来ます。
こちらも新型エネファームに軍配が上がります。総合的な比較評価は新型の方が価格は高いかもしれませんが長い目で見た時に最初の初期投資を加味するよりも選ぶなら新型の方が良いのかもしれません。
エネファームのエネルギー利用効率
エネファームtypeSと従来発電所と比べた場合従来通りの方法で発電所で作られたエネルギーとエネファームで作られたエネルギーの利用効率には、かなりの差があります。例えば、発電所で従来通り発電した利用効率は実は100%中わずかに約40%です。
これは100%の一次エネルギーの内、発生した熱の約56%を利用しない廃熱処理をするためと各家庭に送電する為に約4%の電力を使用する為です。ですので発電所で送られてくる電力は効率で考えるとあまり良いとはいえません。
対してエネファームは発電をするのは別の発電所ではなく、自宅が発電所となるので送電ロスが、ほぼ無いに等しいのとコージェネレーションシステムを採用している所以もあり高いエネルギー効率をほこります。
仮に最新のエネファームの場合だと、一次エネルギーを100%とした場合、約52%の電力を生み出す事により発生した約48%の熱をお湯を作るのに利用します。
お湯を作るのに伴う廃熱はありますがそれでも廃熱はわずかに約13%なので、エネファームのエネルギー効率は約87%と高い水準を確保する事が出来るといえます。
エネファームのエネルギー効率まとめ
- 電力発電所の場合
一次エネルギー100%-廃熱約56%-送電ロス約4%=エネルギー効率約40%
- エネファームtypeSの場合
一次エネルギー100%-廃熱約13%=エネルギー効率約87%(電気約52%、熱約35%)
エネファームtypeSの設置工事について
エネファームを契約をした後に系統連系などの色々な書類を申請した後、最初に行う
工事は土台となる基礎工事からはじめます。
その際に電気工事なども同時に行う場合もあります。
基礎はコンクリートなので時期によって固まりにくい場合などもありますが、固まるまでに大体約3〜5日が必要となります。
そして基礎が固まればガスのマイコンメーターの交換などがある場合は先にそちらを交換して、なければ後はエネファームを据え置き、配管や電気系統の接続工事を行います。本体の設置作業自体は、問題がなければ1日程度で終わりますが、万が一、イレギュラーなどがある場合には、2日程度の時間がかかる場合もあります。
設置が終われば、その日にお湯は使える様にはなりますが、発電は設置後すぐには出来ません。系統連系の申請が受理され許可がおりれば改めて発電の試運転を行ったうえで晴れて発電が出来るようになります。
エネファーム工事の流れ
- 系統連系・余剰電力の売買書類制作
- 基礎(土台)工事
- 本体設置
- 系統連系
- 試運転
- 完了
エネファームの工事期間
- 基礎工事 約3〜5日
- 本体設置 約1〜2日
- 系統連系 約1日
※尚、系統連係や余剰電力の売買契約の申請時期より、
発電が出来る時期はバラバラなので施工会社の詳しくは聞いて下さい。
エネファームtypeSのメリット・デメリット・評判について
まずはメリットについてです。
- 自家発電が出来る。
- 停電でも自立発電が可能。
- 発電するので電気購入量の削減につながる。
- 発電時の送電ロスがほぼない。
- 作動時の騒音がほぼない。
- エネルギー効率の高さ。
- CO2の年間排出量が杉の木の年間約125本程度
- 国や自治体から補助金が出る。
- エネファーム専用のガス優待料金プランがある。
デメリット
- 発電していない時間帯での停電には自立発電に切り替わらない。
- 補助金が出たとしても高額な製品。
- メンテナンスや定期点検は必須。
- 寿命は大体10年過ぎ〜最長で15年程度。
- 円安いに伴いガス料金が上がる場合がある。
エネファームtypeSと電気温水器エコキュートの比較などについて
度々、比較されるのがオール電化代表であるエコキュートとガスの革命代表エネファームです。
どちらも共通しているのはエコ商品であるという事です。
なのでどちらが良いかというと正直、好みになるのかもしれません。エコキュートは、エネファームに比べて約50〜100万程度なので安価であり、ガスを使用しないのとエコキュート専用の料金プランが適用されるのもあり、光熱費の削減率もエネファームほどではないにしても総合的にはなかなかなもんです。
もちろん、電気が主体なので、電気さえあればガスほど場所を選びません。
ただ、大量に湯を使ってしまったりすると湯切れを起こしてしまうケースがあるのと電気の使用はしても発電は出来ない難点があるのは否めません。
またエコキュートに暖房機能の接続をするのも難しいというのがあるので安さだけではエネファームの利点を上回る事は無理かもしれませんが、再度いいますがエネファームもエコキュートも共通してエコである商品となります。
よって、エコに興味がある方は家族構成なども考えて、ご自宅のライフスタイルにあった商品を選んで下さい。
エネファームtypeS補助金について
国や自治会からエネファームを設置する住宅等に対して、その購入費用の一部を補助してくれる制度があります。
これは家庭用燃料電池システム導入を支援する事業の一環であり、国や自治会が環境を考えて導入した施策となっています。
平成29年度 家庭用燃料電池システム導入支援事業(概要抜粋)
エネファーム補助金(定額)
- 固体高分子形燃料電池(PEFC)
※現行のエネファームにあたります。
基準価格11万円
基準価格を上回り裾切価格の場合 5万円
- 体酸化物形燃料電池(SOFC)
※最新のエネファームにあたります。
基準価格16万円基準価格を上回り裾切価格の場合 8万円
- 追加補助金額
既建、LPガス、寒冷地仕様は別途3万円
補助金募集
期間平成29年4月7日〜平成30年2月16日 17時まで
- 補助の条件
6年以上エネファームを継続して使用が可能なこと。
エネファーム補助金まとめ
現行エネファームと新型エネファームとでは補助金額が変わるのでご注意下さい。
また基準価格や裾切価格に関しては販売会社などに問い合わせれば定額の料金をしっかり補助してもらえると思いますので、お考えの方は問い合わせてみて下さい。
まとめ
今回はエネファームの性能や特徴を新型エネファームtypeSを中心にご紹介させて頂きました。
改めて今回の新型エネファームtypeSは、今までのエネファームからしてみれば画期的な商品であるといえます。
一番の驚きは、やはり今まで不可能であった売電が出来るようになった事ではないでしょうか?
屋根の形や方角の問題で太陽光設置不可の戸建てに住んでいて、なくなく売電を諦めていたご家庭であってもエネファームさえ設置できれば売電は可能になるのですから。
もちろん集合住宅であっても新築ならば設置が出来るという小スペース利用も魅力の一つといえま
す。
ただ、やはり本体価格を考えてしまうと二の足を踏んでしまうかエコキュートに妥協しようと思う人が居るかもしれませ。
エコを考え省エネ節約などを考える中で震災対策も考えていきたいところなので、目先を考えるよりも先を見越した上での自分のライフスタイルを見定めていく方が良いとは思います。
本体価格もひょっとしたらガス関連会社で値段も変わるかもしれませんので興味がある方は見積もりと現在の補助金価格などを聞いて折り合いが付きそうならば検討してみてはいかがでしょうか?
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